関西学院大学(関学)の日本史の過去問を解いたあと、答え合わせや復習に使える解答と解説を探している受験生に向けた記事です。

この記事では、関西学院大学 2023年度 2月1日 全学部日程(3科目型)の日本史 大問1について、解答一覧と全10問の解説をまとめました。対象は神・文・社会・法・経済・商・人間福祉・国際・教育・総合政策の各学部です。

大問1は、古墳時代から戦後までを通史で問う2文の正誤判定です。誤りの文は、どこをどう直せば正しくなるのかまで確認しましょう。

※解答・解説は豊中英語塾が作成したもので、大学の公式発表ではありません。問題文は掲載していませんので、過去問と照らし合わせてご利用ください。

関西学院大学 日本史 2023年度 2月1日 大問1の解答一覧

正誤の記号は、ア=a・bとも正しい、イ=aが正しくbが誤り、ウ=aが誤りでbが正しい、エ=a・bとも誤り、です。

設問解答ab
問1ア正正
問2イ正誤
問3イ正誤
問4エ誤誤
問5ア正正
問6ウ誤正
問7ウ誤正
問8エ誤誤
問9ア正正
問10イ正誤

大問1の解説(通史の正誤判定)

問1 古墳後期の墓制と盟神探湯

解答:ア(a 正・b 正)

a:古墳後期の6世紀には、大陸・朝鮮半島の影響を受けた横穴式石室が普及した。入口を開閉して追葬でき、家族など複数人の埋葬にも適していた。山腹を直接掘る横穴墓も出現したが、盛土の内部に石室を造る古墳とは構造が異なる。

b:盟神探湯は熱湯に手を入れ、ただれ方で正邪を判断する神判である。鹿の肩甲骨などを焼いて吉凶を占う太占とは、方法と目的を区別する。

問2 磐井の乱と蘇我氏の財政掌握

解答:イ(a 正・b 誤)

a:527年に筑紫国造磐井が新羅と結んで起こした反乱を、ヤマト政権は鎮圧した。その後、九州北部への屯倉設置などにより支配を強めた。

b:財政機構を整え、斎蔵・内蔵・大蔵の三蔵を管理したと伝えられるのは蘇我氏である。物部氏は軍事・祭祀の分野に勢力をもち、仏教受容をめぐって蘇我氏と対立した。「朝廷の財政」から蘇我氏を結びつけよう。

問3 荘園の特権と源氏の東国進出

解答:イ(a 正・b 誤)

a:不入の権は、国衙の検田使などの立入りを拒む特権である。租税の免除である不輸の権と組み合わせて、荘園領主による支配の強まりを押さえる。

b:1028年に始まった平忠常の乱を鎮圧したのは源頼信であり、源義家ではない。頼信の子が頼義、頼義の子が義家である。前九年合戦の頼義・義家、後三年合戦の義家と区別する。

問4 神仏習合と愚管抄

解答:エ(a 誤・b 誤)

a:鎌倉新仏教の成立によって神仏習合が一律に衰えたわけではない。中世には本地垂迹説が広く定着し、神と仏を結びつける信仰が社会に根づいていた。

b:『愚管抄』の著者は天台座主の慈円であり、円仁ではない。成立も承久の乱の直前で、歴史を「道理」により解釈し、朝廷と武家の協調を重んじた。円仁は平安初期の入唐僧である。

問5 足利義教と土一揆

解答:ア(a 正・b 正)

a:6代将軍義教は永享の乱で鎌倉公方足利持氏を滅ぼしたが、1441年、赤松満祐に殺害された。これが嘉吉の変である。将軍権力の強化と、それに対する有力守護の反発というつながりを理解する。

b:徳政を求めた土一揆には農民だけでなく、馬で荷物を運ぶ馬借なども参加した。徳政令による債務解消は、貨幣経済の中で借金を負う多様な人びとの利害に関わっていた。

問6 オランダ人の外出と服忌令

解答:ウ(a 誤・b 正)

a:オランダ人の行動は厳しく制限されたが、商館長らには将軍への江戸参府など、許可された外出があった。「出島の外に出ることはなかった」という全面否定は誤り。

b:綱吉の服忌令は、近親者の死に際する服喪や、死・出産などに関わる忌みの日数を定めた。生類憐みの令とともに、生命・死や社会秩序を重んじた政治の一環として学ぶ。

問7 寛政の改革と上知令

解答:ウ(a 誤・b 正)

a:松平定信は都市への出稼ぎを奨励したのではなく、旧里帰農令によって都市の困窮者が農村に戻ることを促した。農村人口や生産の回復、都市の治安維持が目的である。

b:水野忠邦の上知令は1843年。江戸・大坂周辺を直轄化して財政・対外防備を強化しようとしたが、大名・旗本らの反対で実現しなかった。「政策の目的」と「実現したか」を分けて覚える。

問8 国立銀行条例と鉱山払下げ

解答:エ(a 誤・b 誤)

a:1872年の国立銀行条例は、金貨と交換できる兌換銀行券の発行を認めた。銀兌換券を発行したのは1885年以降の日本銀行である。1876年の条例改正では国立銀行に不換紙幣発行を認めた。

b:佐渡金山の払下げ先は三菱であり、古河ではない。古河と足尾銅山、三井と三池炭鉱などの対応も整理しよう。「国立銀行」は国営銀行という意味ではない。

問9 神仏分離と紡績業の成長

解答:ア(a 正・b 正)

a:1868年の神仏分離政策を契機に、仏教排斥の廃仏毀釈が各地で起きた。政策としての神仏分離と、仏像・寺院を破壊する運動そのものは区別する。

b:1883年に開業した大阪紡績会社の成功を契機に機械制紡績業が成長し、1890年には綿糸の国内生産量が輸入量を上回った。1897年の「輸出量が輸入量を超える」と混同しない。

問10 ドッジラインと日米貿易摩擦

解答:イ(a 正・b 誤)

a:1949年に来日したドッジは、経済安定九原則の実施を促し、均衡予算・徴税強化などによるインフレ抑制を求めた。強い引締めはドッジ不況ももたらした。

b:1ドル360円の固定相場制は1949年に設定され、1971年のドルショック後に変更された。1973年には変動相場制へ移行しており、1980年代の貿易摩擦を360円固定相場で説明できない。

大問2〜4の解説について

大問2(古代から近世の法と統治)、大問3(相対済令と日中戦争の史料)、大問4(近現代の外交と経済)の解説は、塾生向けのパスワード付き記事に掲載しています。

関学日本史の勉強の優先順位は、関西学院大学の日本史|頻出分野ランキングと勉強の優先順位【2017〜2024年分析】もあわせてご覧ください。

関学の入試には得点調整(中央値補正)があります。自己採点の結果と合格の目安を比べるときは、【2020〜2026年度】関西学院大学の中央値まとめ|得点調整後の合格目安を徹底分析をご覧ください。

塾生には教科書ページまで公開しています

当塾の生徒には教科書ページまで公開しており、復習しやすくしています。以下はその一例です。

【例】大問1 問1 古墳後期の墓制と盟神探湯

  • a 横穴式石室と横穴墓:p.25 本文・側注④、p.28 本文
  • b 盟神探湯:p.31 本文(太占の説明は p.30 末から続く)