「自己採点では合格最低点を超えているのに、本当にこれで受かるの?」 「『得点調整』や『中央値補正』で点数が下がるって聞いたけど、実際どのくらい下がるの?」

多くの私立大学入試では「中央値補正法(成績標準化)」という計算式が採用されています。これは、選択科目間の難易度による不平等をなくすための仕組みですが、多くのケースで「素点(自分の採点結果)よりも点数が下がる」ことになります。(全ての科目に補正する大学もあります)

そこで、自分の素点が「実際の入試で何点扱いになるのか」をすぐに確認できる自動計算ツールを作成しました。過去問演習の分析に役立ててください。

中央補正後の点数

※数値を入れると自動計算されます

このツールの使い方

  1. 満点を選ぶ

    受験する科目の満点(100点、150点、200点など)を設定します。

  2. 中央値(平均点)を入力

    赤本のデータページや大学HPにある「受験者平均点」または「合格者平均点」を入力します。※中央値が公表されていない場合は「平均点」で代用して目安とします。

  3. あなたの素点を入力

    : 過去問を解いて自己採点した点数を入力してください。

なぜ点数が変わるの?「中央値補正」の仕組み


なぜ、せっかく取った点数が下げられてしまうのでしょうか?

この方式は、簡単に言うと「平均点を取った人が、ちょうど満点の半分(50%)の点数になるように調整する」仕組みです。

例えば世界史テストが簡単だった場合(平均点が高い) 高得点を取れているため、他の選択教科の人には不利です。そのままでは合否にかかるので、点数は大きく下方修正されます。

また、テストが難しかった場合(平均点が低い) 平均点が低いと、補正によって点数が上方修正(または維持)されることがあります。

つまり、「問題が簡単なときほど、ミスが許されない(点数が削られる)」というのがこの方式の怖いところです。

プロが教える!合否判定の本当の見方


私は普段、多くの受験生を見ていますが、この「得点調整」を甘く見て志望校選定を誤るケースが後を絶ちません。過去問に取り組む際は、以下の3点を意識してください。

  1. 「素点」で合格最低点を超えても安心しない
    大学が公表している「合格最低点」は、ほとんどの場合「補正後」の点数です。一方、あなたが採点したのは「素点」です。 この計算機を使って点数が下がった結果、合格最低点に届いているかを確認する必要があります。
  2. 目標は「プラス15%」
    補正で点数が引かれることを前提にすると、素点の段階で合格最低点+10〜15%の得点を取っておくのが安全圏です。ギリギリの点数では、本番の平均点次第で不合格になるリスクが高まります。
  3. 苦手科目を捨てない
    中央値補正法では、極端に低い点数を取ると、補正によってさらに低い点数(場合によっては一桁など)に圧縮されることがあります。苦手科目でも、少なくとも「平均点」近くを死守することが、トータルの合格点への近道です。

まとめ

正確な現状把握が合格への第一歩
「得点調整」は受験生にとって怖い存在に見えますが、仕組みさえ分かれば対策は立てられます。

「なんとなく受かりそう」ではなく、数字に基づいた冷静な分析を行いましょう。もし、過去問の点数が伸び悩んでいたり、志望校の判定に不安がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。