今年の大学入試センター試験では「地理B」でムーミンと小さなバイキングビッケを題材にした問題があって話題になりました。あれも高校のカリキュラムと連動していると言えるもの?なのでしょうか?このような題がこれから、どんどん増えていくかもしれませんね!
今回はそのような問題に関するセンター試験を作る人からのインタビューの第三回目です。
「唐突に感じる向きもあったかもしれませんが、高校でも創作作品を地理的視点でとらえて、それまでに学んだ知識とつなげながら考えるという授業がなされています。そうした視点が反映された問題ですね。
2020年から「地理総合」という科目ができるこも見越して、最近ではアニメ映画「風の谷のナウシカ」の場面を地理的視点でとらえ、風の谷が地球上にあるとしたらどこだろうかと、学んだ知識を根拠にしながら考えたりするのです。(ジブリファンの僕にはとても、おもしろそうな問題です。)
なんとなく見て言ていると気づかないのですが、風の谷と砂漠の距離感、ブドウなどの植生、海との位置関係や風向き、人々の習俗など地理的な手がかりはたくさんあります。それでたとえば、地中海のこのあたりじゃないかと生徒たちは推測していく
授業では、必ずしも答えはひとつじゃありません。根拠を示するなら、それはひとつの答えとしてあり得るのです。」
そうした設問のことを聞くと、やっぱり応用力ばかりが問われるようになっていて、もう知識を詰め込む勉強は必要はないのかなという気もしてきますが、、、
「いえ、それは誤解です。思考力は知識があってこそ発揮され、知識は使ってこそ深まっていくという相互関係にあると言えるでしょう。知識と思考力が両方あって、総合的な知力が生まれます。
たとえば、幕末に黒船に乗ってペリーが来航したこの背景や影響について考察するには、ペリーがいつ何をした人なのか知っていなければ考えることもできませんよね。
ただ、人名や年号だけ知っていればただ、人名や年号だけ知っていればいいというものでもありません。その時代のアメリカや日本の状況を歴史的に推論して背景を考え、黒船来航が当時の日本に与えた影響はどのようなものだったのか考察する。そうして初めて、黒船来航についての理解に至るということです。
第3回は以上になります。知識をつかって、あたらしい事に挑戦する。新センター試験はそのような問題が多くなりそうですね!